FETその1

試作その1
まずは回路。
調べた限りだとFETと抵抗だけだったり、コンデンサやダイオード使った回路などいろいろありました。
ちょっと抵抗つけただけの回路は不安だったというか、作った気がしなかったので、とりあえず部品が多めの回路で製作。
目次▼open
回路図
既に良さそうな回路を設計してる方がいたので、参考にさせて頂きました。というか、そのまんまです。
参考:エアーガンに電気按摩 – 電動ガン用ちょっと高度なFETスイッチを作る
分かりやすい配線図が載ってるので、回路図が苦手な方も安心ですね。
あってるかな?右上のRLはモーターのかわり。
コンデンサは左がプラス側です。
よく「R2」のゲートソース間抵抗は、R1とFETの間に繋がってたり、R1のゲート抵抗とスイッチの間に繋がってる回路図をよく見ますが、どっちでもいいと思います。
詳しくはこちらのページを見たら分かるのではないでしょうか。
参考:エアーガンに電気按摩 – たまにはFETの事なんか書いてみるべ
本当はこちらのサイトの回路図
参考:What’sFET- ~キットボーイの電動ガン用FETスイッチ講座~ 第6回 FETスイッチOGSM各部の働き
を使おうかと思ってたけど、基板への配置考えるのが面倒だった…
電子部品
さて、回路がなんとなく分かった所で、使う部品とその値やらを決めます。
「D1」「D2」「C1」は、上記の配線図があるサイトを参考に、
D1は1000V1Aの整流ダイオード
D2は100V1Aのショットキーバリアダイオード
C1は10μF50Vの電解コンデンサー
にしてみました。家にあったからという理由。
D2が飛ぶようならアンペアあげてみてください。3Aくらいのやつ。
FET
さてFETを決めようと、秋月の通販ページを見ると種類がいっぱい!
どれ買えばいいの?って状態です。
電動ガン用のFETを組んでる方はIR社のを中心に使ってるみたいなので、秋月通販で買えることを条件に探してみた結果、
- IRLB3034PBF(40V195A)
- IRLB3813PBF(30V260A)
- IRLB8721PBF(30V62A)
- 2SK3140(60V60A)
- H7N0308CF(30V60A)
FET候補はこんな感じに。
定格の8割以下で使うのが理想らしいので、モーター変えたり、セクターやピストンなどのギアいじってる方は上2つ、
バッテリーだけリポであとは普通だよって方はどれでも良いんじゃないでしょうか?
別にこの部品じゃなきゃダメってわけじゃないので、
4.0V~4.5Vの低電圧駆動(普通のFETは10V以上で駆動なので。11.1Vのリポでも低電圧駆動ので大丈夫)、Rdsの抵抗が低そうなやつで、アンペアがそこそこあるの選べばいいと思います。
ちなみにNchのFETで。
FET-ゲート抵抗とゲート・ソース間抵抗
電動ガンのFETスイッチ回路の場合、大体ゲート抵抗に使われる値は100Ω、ゲート・ソース間抵抗に使われる値が10kΩや30kΩ。
何故この値なのか疑問だったので、ついでに調べてみた。
▼安定動作用のゲート抵抗
細かいことは省くけど、どうやら「i(rush)=Qg/tr」でゲートドライブ電流を計算できるらしい。
trは立ち上がりの値。
データシートをみつつざっくり計算してみると、IRLB3034はQg162nC・tr827nsとした場合、約195mAとなった。(電動ガンはVgsとVdsはほぼ同じ)
つまり7.4Vのリポを使った場合(満充電時は8.2-8.4V程)この立ち上がりを再現するには、R=8.2V/195mAで42Ωの抵抗値があればいい。
もちろん無いので使うなら50Ω。
ただFETはVthが一定でないので、細かくこだわる必要はないと思う。
数10Ω~数100Ωくらいの抵抗を使ってれば、普通にスイッチング動作してくれるはずです。
電動ガンはそんなに高速でスイッチング(ONとOFFの繰り返し)するわけでもないので、安定的に動作する100Ωの値が使われてるのかと思います。
抵抗を1kΩにしたらどうなの?って感じですが、Rgが大きいほどスイッチング損失が大きくなるのと、立ち上がり・下がりの時間が長くかかり、高速にスイッチングしてくれなくなるんだと思います。
電動ガンで体感できるのかは謎ですが、100Ωから1kΩの値はLEDが点滅するような回路に使われるみたいです。
ちなみにCissを使う方の計算は、Vgsが0Vの時のだから違うらしい。つまりFETがOFFしたときのこと。
▼ゲート・ソース間抵抗
バッテリー接続時にゲートを確実にOFFにするため、ゲート・ソース間に抵抗を入れておくというわけです。FETは静電気に弱いので保護的な役割もあるのかな。
これも計算できますが、ゲート抵抗よりはあまり重要じゃないので省きます。
重要じゃないけど入れとかないとだめですよ。詳しくは参考サイトさんやgoogleさんで。
一般的にはゲート抵抗1:ゲート・ソース間抵抗10以上の割合で組むみたい。
だけどいろんな影響や分圧を考慮して10kΩ~30kΩの値が使われてるのだと思う。
ちょっと長くなったけど、書いたことに自信ないです。おかしかったら教えて><
回路部分はこんな感じでしょうか。テキトーに電子部品が決まったら。次は必要な配線類等を揃えてハンダ付けです!
「参考」
MOS FETによるスイッチングの基礎|マルツパーツ館WebShop-電子部品専門【通販・販売】-
Robocon2003_回路設計資料01
必要な部品と配線
ある程度使う部品を選定したので、実際に製作。
その前にいったんまとめてみます。
部品
*FET
- IRLB3034PBF(40V195A)
- IRLB3813PBF(30V260A)※ハンダ付けのときは、ゲート・ソース抵抗をつける部分の表面を少し削っとくと良い
- IRLB8721PBF(30V62A)
- 2SK3140(60V60A)
- H7N0308CF(30V60A)
*整流ダイオード(1000V1A)
*ショットキーバリアダイオード(100V1A)//壊れてしまうようなら40V3Aや45V10Aなどですかね。
*電解コンデンサー(10μF50V)
*抵抗(100Ω)
*抵抗(30kΩ)
こんな感じです。もちろん1つの回路で使うFETは1つor2つですが、飛んだ時のためにいろいろ購入。
部品も多めに買っといて損はないとおもいます。
抵抗は大体どんな値を使えばいいか分かったので、家にある抵抗優先で結局一般的なこの値に。
75Ω・10kΩや100Ω・30kΩなど組み合わせはいくつかありますが、電動ガンに使う分ならどれも変わらない気がする。
回路自体に大電流が流れるわけじゃないので1/4Wで十分。チップ抵抗で作れるって方はそっちでもいいと思います。
*ユニバーサル基板(16ホールユニバーサル基板(2.54mm))
秋月(通販)にある基板でちっちゃいやつです。1石ならなんとか組めます。
google先生に聞いてみた感じだと、ちゃんと基板に作ってるのやらFETに部品を直付してるのとかいろいろありましたが、ちゃんと基板に部品を取り付けることにしました。
やっぱり電子部品を使うからには、基板につけないと作った気がしないので。
*ヒートシンク(放熱器(ヒートシンク)15x25x11mm)
ちょうどいい大きさだと思います。
*熱伝導シリコンラバーシート TO-200用
FETとヒートシンクの間に挟むもの。FETの放熱部分はドレイン側と繋がってるので、IR社のようなFETの場合はいれましょう。
自分はこれが原因で数個飛ばしてます…放熱部分はGNDだと(ry
*3mmプラネジ(12mm)+ナットセット
FET、ラバーシート、ヒートシンクを固定するために。
少し長いけど、プラなのでカットできます。
以上が秋月(通販)で購入できそうなもの。ちなみに秋葉原の秋月にはこのFET無かった気がする。
配線・その他
*動力線
高密度14ゲージ バッテリーケーブル(KEYENCE – op.73267)
*信号線
20AWG シリコン銀コード(Muchmore Racing – MR-WS20)
配線はいっぱいあるので探しずらいです。
電動ガンとかに使うものはよくわからないので、代わりに購入して頂きました。
信号線だからと言って、細過ぎない事。20~18ゲージくらい?
購入場所はスーパーラジコンみたいです。FETより値段が高い…そして短い…
*熱収縮チューブ(4φ~8φ)
部品の端子につけた動力線や、部品の露出してる端子の絶縁用に使います。
マルツパーツにあると思います。
ヒートガンはなくてもライターでいけます。
チューブじゃなくてグルーガンやシリコンシーラントでもいいかも。でもチューブのほうが見た目が良い気がする。
あとはモーター端子やヒューズ端子、タミヤコネクタ(オス)orディーンズT型(オス)ですかね。使うものに合うものを用意しておきましょう。
ハンダ付け
回路や配線図を見つつ、接続が正しいか確認しながらハンダ付けしていきます。
ちっちゃいのでやりづらいですが、ダイオード→コンデンサー→ゲート抵抗の順番でやると作業しやすいかも?
逆作用ピンセット等があればもっと作業しやすいはず。こんなの↓
FETは端子部分にゲート・ソース間抵抗をハンダ付けして、一番最後に基板へ取付ます。
熱を気にして最後に取り付けるという方もいますが、ただ単に一番大きな部品だからです。
ハンダ作業程度の一時的な熱は問題ないかと。流石に1分以上も熱を加えてたとなると怖いですが。
あとハンダ付け後に余ったFETのドレイン・ソース端子、FET駆動の為のダイオードのどちらかの部品の足はカットしないように!この部分に動力線を取り付けるので。
画像に写ってるFETはテスト用なのでL型ピンヘッダ(2.54mm)がついてますが、これは信号線用です。
QIソケットやピンソケット(ピンフレーム)に信号線を取り付けると取り外しが可能に。
※動力線用には使わないこと。
サイクルを求める方は、取り外し可能なFET回路をあまり組まないほうがいいですが、信号線だけは取り外し可能にしても大丈夫です。
この部分に大電流は流れないですし、影響しないので。
注意点としては、震動ではずれるかもしれないこと。特にピンソケットはQIソケットより緩いかもしれない。
モーターに並列接続の還流ダイオードは、本当はモーターに直接つけるべきですが、スペース的な問題でこうなりました。
ひと通りハンダ付けして、ヒートシンクを取り付けるとこんな感じに。
シリコンラバーシートをつけ忘れないようにしましょうっ。
あとはテキトーに配線してください。
コツとしては、動力線の場合は先にハンダを薄くコーティングし(動力線断面から見て、真ん中までハンダが浸透しない程度)、FETの足にぶっさしてハンダ付け。
ダイオード側は上記画像だと動力線が2つに分かれてるけど、これで1本の線です。
途中の被覆を5ミリ程カットしてやり、軽くハンダでコーティング後にダイオードの足に刺してハンダ付けです。
信号線やは適量のハンダをコーティングしてから取り付ける端子にのせて、コーティングした部分を再度溶かすような感じでやると取り付けやすい。
あとは熱収縮チューブやグルーガン、シリコンシーラントなどで保護しておきましょう。
2石回路
ためしに2石も作ってみました。今のところ使う予定もないのでテストはしてません。
普通にFETを並列にして、それぞれのFETにゲート抵抗を取り付けるだけでいけます。
ゲート抵抗はケチって一つにしないように。
流石に16ホールのユニバーサル基板じゃ厳しいので、普通のユニバーサル基板を5×5にカットして、FETのソース側になる基板の角のホールをカットします。
画像では1×2ホール分カットしてますが、角のホール1つ分だけでも問題なさそうです。
FETは、プラネジ→FET→ラバーシート→プラナット→FET→ラバーシート→ヒートシンクの順番で重なってます。
上手く出来たように見えますが、放熱に問題がありそうです。
アルミのプレートなどを間に挟めば少しはマシになるかな?という感じ。
でも神経質にならなくても一応動くだろう。
ヒートシンクがつくとなんだかカッコイイ・・//
続き:FET試作 その2
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